石川 綾

日々、新しい発見がある
仕事に行くのが
毎日楽しみです

#20

劇場部 衣裳課
衣裳係(床山担当)石川 綾

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Chapter 01

“好き”を仕事にしたい

「実は2005年に宝塚舞台に入社する前は、旅行会社で添乗員をしていたんです。今の仕事とは全く違う世界ですよね」。そう笑いながら話すのは、衣裳係の“床山(とこやま)”を担当している石川さん。床山と言葉だけを聞くと、時代劇などで使う日本髪のカツラだけをつくっていると思われがちだが、洋物のカツラや付け髭などもつくっていると言います。「添乗員時代は、全国各地いろんな場所に行っていました。業務もめちゃくちゃハードで、1ヶ月に2日しか休みがないときも…。そんな毎日に鬱々としていたとき、宝塚舞台の求人が目に飛び込んできたんです。子どもの頃からコンサートや舞台を観るのが大好きで、大人になってからは趣味の一つになっていたので、好きなことを仕事にできたらどんなに幸せだろうと思って。“もしも受かったらラッキー”くらいの気持ちで応募しました(笑)」と当時を振り返ります。

Chapter 02

私も舞台を支える一人に

舞台の経験はもちろん、美容の経験もなく入社したため、最初は覚えることが多くて大変だったという石川さん。「ただ、それよりもこんなにたくさんの人たちの努力が舞台を支えているんだ…という驚きと、自分もその一員として参加できることの喜びの方が大きかった。入社1ヶ月くらいで、“この仕事は私にとって天職だ”と思いました」と笑います。1公演で使用するカツラの点数はなんと約100点。既製品に手を加えたりするものもあるため、一からすべてつくり上げるわけではないが、スタイリングだけでも数は膨大だ。「日本髪の場合は、ベースを京都の制作会社から仕入れて、1点1点出演者に合わせて結い上げます。洋髪の場合は、ベースに毛を植え付けるところからつくる完全オーダーメイドのものも。仲間がもっといたら、本当は全部手づくりしたい!」と石川さん。製作にあたっては、作品はもちろん役柄についてもしっかり把握。出演者にもヒアリングし、スタイルを決めていくといいます。「何かあったときに恥をかくのは出演者。製作期限が迫っていたとしても、絶対に手は抜けません」。

Chapter 03

毎日仕事に行くのが楽しみ

「実は髪型には明確なデザイン指示がないんです。逆に“こんな年齢のこんな性格の役柄だけど、どんな髪型がいいかな?”と相談されることもあります。そんな時にすぐに提案できるよう、引き出しをたくさん持っておくことが大切」と石川さん。時には江戸時代、時には古代ヨーロッパ、天上界の天使の話など、多種多様な演目を行う宝塚歌劇団なら尚更だ。「スタッフのみんなには映画や海外ドラマなど、色んな作品を観るように伝えています。そして、観た感想を作業しながら共有する。話の半分くらいは今晩のおかず何にしようか〜って雑談ですけど(笑)。それもまたコミュニケーションの一つ」と石川さんは笑います。「製作期間も製作人数も限られているので、毎回“今度こそ間に合わへんかも〜”と言いながらつくっていますが、舞台袖から聞こえてくるお客様からの拍手がガソリンになる」と石川さん。「20年経った今でも、日々新しい発見がある。仲間にも恵まれて、毎日仕事に行くのが楽しみで仕方ありません」と笑顔で話してくれた。

time schedule

タイム
スケジュール

<平日1回公演の場合>

  • 09:00

    出勤、次公演の製作

  • 11:30

    昼休憩

  • 12:30

    出演者の準備

  • 13:00

    開演 公演業務をしながら次公演の製作

  • 15:00

    第1幕終演後、次の公演準備

  • 15:30

    開演 公演業務をしながら次公演の製作

  • 16:30

    終演後、メンテナンス、次公演の製作

  • 18:30

    退勤

meaasege

求職中の方に
メッセージ

美容の経験が無くても、現状に満足せずに努力を重ねることができる人なら大丈夫!作品も多種多様なので、毎日新しい発見があります。美しいものを自分たちの手で生み出せる、クリエイティブな仕事です。

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