Chapter 01
人前に出るのは好きじゃなかった
「小さい頃から音楽が好きで、小学6年生のとき父に頼み込んでX-JAPANの『紅』のCDとでっかいコンポを買ってもらったのを覚えています。その後、中学校の文化祭をきっかけに友人とバンドを組み、ライブハウスに呼んでもらえるようになって初めて音響の仕事について知りました」。そう話すのは、2012年入社の大野さん。「6年ほどバンド活動をしていましたが、それで食っていこうとは思えなくて、高校卒業後はずっと興味のあった音響の学校へと進学しました。実は、人前に出るのは好きじゃなかったという理由もあります（笑）」と大野さん。卒業後は音響専門の会社に就職し、アーティストのコンサートやイベントの音響業務に携わっていたといいます。「就職して2年くらい経ったとき、東京宝塚劇場公演に３ヶ月ほど音響として携わったんです。これまで音楽コンサートがメインだったので、“こんな世界もあるんだ！”と目から鱗でした」。そして、その仕事の最中、東日本大震災が発生。一気に自粛ムードが広がり、音響やイベント関連の仕事は激減。新たな活躍の場を求めて宝塚舞台に飛び込んだといいます。
Chapter 02
1ヶ月半、クオリティを保ち続ける
「これまでは1〜2日の短いコンサートやイベントを繰り返してしていたので、１ヶ月半ずっと同じ演目をするということにも少し戸惑いましたね。1〜2日の単発イベントであれば、爆発力でどうにかなるけれど、1ヶ月半どうやってクオリティを高く回しているんだろう…って」と大野さん。宝塚舞台では音響スタッフ全員が全てのポジションを担当できるようにローテーションが組まれていて、誰がその日に入っても一定のクオリティを保っていることにも驚いたという。「2年の音響経験はあったものの、機械やシステムも全く違うので最初の1年は覚えることが多く、とにかく必死でしたね。特にオペレーション業務は出演者とオーケストラ合わせて100本近いマイクを1本ずつ調整するので、“手が忙しくて大変だった”記憶があります。手元のフェーダー調整で精一杯になって、どうしても卓の端っこにあるフェーダーを調整しきれない！ってときには、先輩が横からスイっと助けてくれたりして（笑）」と笑います。「先輩の助けもなく、自分で最後までできたときはめちゃくちゃ嬉しかったです」。
Chapter 03
目に見えないからこそ、音響って面白い
現在は副主任として若手スタッフを引っ張っていく立場の大野さん。今後の目標を聞くと、「どのスタッフが公演に入っていたとしても、お客様に“音もかっこ良かったね”と、毎回言ってもらえるような音響チームにしていきたい。そのための環境づくりに力を入れていきたいです」と大野さん。「音って目に見えないから、正解がないんですよね。公演準備で音楽監督さんに“ここのシーンをもっとセクシーな感じにしたい”って言われたら、自分なりのセクシーをミキシングしていく。調整したものを “それそれ、それが欲しかった！”って言われたら嬉しいですし、どんな感じにしようかなって悩む時間も楽しいんです。毎日の公演業務もそう。出演者やオーケストラのコンディション、劇場の湿度やお客様の密度など、状況は日々少しずつ異なります。数値では測れない微細な違いを感じながら、そのシーンで一番響かせたい音を立たせていく。目に見えないからこそ、音響の仕事って面白い」。そう話す、大野さんの横顔はなんだか楽しげだった。
time schedule
タイム
スケジュール
＜平日1回公演の場合＞
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11:30
出勤・機器の点検
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12:20
係のミーティング
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12:45
マイクチェック
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13:05
全体ミーティング
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13:30
開演 公演業務
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15:00
第1幕終演後、マイクチェック、適宜休憩
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15:30
開演 公演業務
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16:30
終演後、マイクのメンテナンス
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17:00
退勤
※平日2回公演の場合は、休憩をはさみ18:00公演、21：30退勤
＜土日2回公演の場合＞
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09:00
出勤・機器の点検
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10:00
係のミーティング
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10:20
マイクチェック
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10:35
全体ミーティング
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11:00
開演 公演業務
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12:30
第1幕終演後、マイクチェック
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13:00
開演 公演業務
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14:00
終演後、マイクチェック、休憩
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15:30
開演 公演業務
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17:00
第1幕終演後、マイクチェック
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17:30
開演 公演業務
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18:30
終演後、マイクのメンテナンス
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19:00
退勤
meaasege
求職中の方に
メッセージ
音響の勉強をしていないとダメなんじゃ…って思うかもしれませんが、そんなことはありません。今のメンバーの中には、音響の学校卒じゃない人もたくさんいます。事前の知識や経験よりも、素直に日々の学びを吸収していく人の方が成長できると思います。最初は覚えることも多くて大変だと思いますが、みんなでサポートするので安心してください！
