











Chapter 01
演者をよりカッコよく輝かせる仕事
「照明を志したきっかけは、小さい頃から習っていたクラシックバレエと大好きなアーティストのライブでした。悲しい曲の時はダウンライトでしっとりと、エネルギッシュな曲の時は一気に華やかに。世界観を光で表現しながら、演者をよりカッコよく輝かせる。照明ってなんてカッコいい仕事なんだ…って」と、当時を振り返るのは2017年入社の北村さん。照明係でシステムを操作する“調光”をメインに担当している。500種の照明キュー(照明変化をおこす際の合図)を組み込んだシステムと映像機器を操作する重要なポジションだ。 舞台芸術の学校に進学後は、迷わず照明コースを専攻。照明オペレーションはもちろん、電気関係の勉強にも取り組んだそう。 「宝塚舞台に入社して驚いたのは、照明機材の多さでした。ムービングライトなど種類やシステムもたくさんあって。高校生の頃に何度か宝塚の舞台は見ていましたが、“こんなに使ってたんや”って驚いたのを覚えています」と当時を振り返ります。
Chapter 02
焦りと不安でボタンを押す指が震えた
最初は舞台袖に控えて転換時の舞台装置の電源接続や監視を行う“ステージ”を担当し、3年目からは“調光”をメインに行うように。 「はじめて調光室で先輩の仕事を見たときは、“すごっ!先輩たちの頭の中はどうなってんねやろ…”と、ただ驚くしかできなかったです」と北村さん。学校でもふれたことがない機材ばかりで、機材資料は英語のみ。先輩が別にまとめてくれたマニュアルを見ながら、少しずつ覚えていったが、焦りと不安は募るばかりだった。 「先輩と一緒に何度か公演を重ねた後、“一人でやってみようか”と言われたときは、嬉しいよりも怖かったです。もしも間違えて出演者の動きを止めてしまったら…、2550人ものお客様の期待を裏切ることになる。自然とボタンを押す指が震えました」と北村さん。 7年目の今となっては、全体を見て落ち着いて公演に入れるようになったが、それでも公演初日は緊張するという。「開演のアナウンスが流れて客席が暗くなると、“今日もこの時間が始まった”とドキドキします。すべてのキューを無事終え、幕が降りた時の達成感は格別です」と北村さん。
Chapter 03
一つひとつ積み上げていく時間が好き
照明の仕事は、ただ舞台を明るく見せるだけではない。星や月の瞬き、キリッとした朝の光、全てが赤に染まる夕焼け、躍動的な動きで舞台を盛り上げるムービングライト。そして、出演者の怒り、悲しみ、喜びを光の効果で表現することができる。そんな照明プランを、劇団の照明プランナーと打ち合わせしながら、システムに作りこんでいくのも北村さんたちの仕事だ。 「今は公演オペレーションよりも、一つひとつの照明プランをシステムに作りこむほうが好きかもしれません。プランナーから依頼された照明プランが、まだ自分のスキルではできないかも…というものであっても、調べながら一つひとつクリアして完成したとき。そしてそれがそのまま採用されて、宝塚大劇場、東京宝塚劇場と3ヶ月間使ってもらえたときは、とても嬉しかったです」と北村さん。「もちろん、修正指示もたくさんあるんですけどね。それは次回に活かせばいい。学ぶことがまだたくさんありますが、一つひとつ身につけていきたい」。そう語る彼女の瞳は、常にさらなる高みを見つめている。
time schedule
タイム
スケジュール
<2回公演の場合>
-
09:30
出勤・係でミーティング
点検作業 -
11:00
開演 公演業務
-
12:30
第1幕終演後、昼休憩
-
13:00
開演 公演業務
-
14:00
終演後、次の公演準備
適宜休憩 -
15:30
開演 公演業務
-
17:00
第1幕終演後、適宜休憩
-
17:30
開演 公演業務
-
18:30
終演後、片付け
-
19:00
退勤
meaasege
求職中の方に
メッセージ
最初はステージでの業務がメインですが、出演者はもちろん、大きな道具も入れ替わり立ち代わり動いています。手元だけに集中していると事故につながることも。覚えることも多いですし、初めて触れる機材もあるので大変だと思います。私も入社当時はとても苦労しました。ただ、その分やりがいのある仕事です!