アナログなのが逆に魅力
色彩で世界に
命を吹き込む仕事

#06

劇場部 舞台製作課
背景係澤田 彩花

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Chapter 01

大きな絵を思いっきり描きたかった

「小さい頃から絵を描くのが好きで、将来は絵の道に進みたかった」と話すのは、2018年入社の澤田彩花さん。舞台装置やパネルに“彩色“で命を吹き込む背景係に所属している。 そんな経緯から美術コースのある学校へ進学し、デザインや油絵などを学んだ。加えて舞台鑑賞が趣味だったこともあり、その後は舞台美術を専門に学ぶように。 「学生時代に、舞台“デザイン”を学ぶなかで、私は自分でデザインするより、デザインを大きなものに落とし込む行為が好きだと気づいたんです。そこで見つけたのが、宝塚舞台の背景係の仕事でした。一部印刷等の技術も使うけれど、ほとんどが手描きだということに大きな魅力を感じました。」と澤田さん。また、就職活動中に宝塚の公演をみた際、舞台を埋め尽くすような装置やパネルの物量の多さにも驚いたという。 「とにかく大きな絵をたくさん描きたかった私にとって、天職だと思いました。」と当時を振り返ります。また、舞台製作の世界では分業が一般的ななか、宝塚舞台は製作から公演まで、バックステージ業務を一括して担っていることも彼女の背中を押したという。「自分たちがつくったものが、すぐ隣の舞台で使われているのを見られるのっていいな…って。」

Chapter 02

思っていた以上に体力勝負な仕事

そんな彼女が入社してまず苦労したのは“体力面”。自分の身長の倍以上にも及ぶ巨大なパネルや装置を、自分たちで作業スペースまで移動するため、思った以上に体力が必要でした。また、パネルの着彩は基本的に床に置いて作業するため、腰をかがめたり、膝を曲げたりしながらの作業は、慣れるまで大変だったと言います。 「大きいパネルを1色でベタ塗りするときは、モップみたいな大きな筆でゴシゴシと塗るので、はたから見たら床掃除(笑)。皆さんが想像する以上に実は体力仕事です。1年目はペース配分が掴めなくて、自宅に帰ったら気絶するように寝ていました。」と笑います。 また、限られた作業スペースの中で、装置係や電飾係と一緒に製作を進めるため、自分たちだけでなく他の係の製作状況をみることも必要だ。 「たとえば、デザインの必要な道具だと、まず私たちが“書き割り”というアウトラインをとり、それを装置係が切り出して土台を作っていく。その後、私たちが着彩して電飾係に渡し、LEDなどの光源をパネルに埋め込んでいく流れです。私たちが遅れると他の工程も遅れてしまう。製作する物量も多いうえに乾かす時間も考えながらなので、早く、キレイに、段取り良く進められるように気をつけています。複数人で一気に作業する場合は、自分の個性を出さずに周りの人とタッチを合わせることも大切ですね」と話します。クリエイティブな仕事ながらも、客観的な視点が必要な仕事だ。

Chapter 03

やりたい!という気持ちが大切

「入社前は学校の先生から、“最初の数年は下積みで筆洗いしかできない”と散々脅されたのですが、そんなことはありません(笑)。もちろん若手のうちは準備や片付けなどの作業も多いですが、1年目からたくさん描かせてもらえる。やる気があればチャレンジさせてもらえる職場です。」と澤田さん。彼女も入社してすぐに、小さめの置きパネルを下書きから仕上げまで任せてもらった経験があるという。 「通し稽古の際、転換でそのパネルが舞台に出てきたのを見て、“自分がつくったものが宝塚の舞台の一部になっている!”と、とても感動したのを覚えています。それは7年目になった今も変わらないです。」と当時を振り返ります。 ここ数年は徐々に後輩も増え、先輩としてどう行動すべきか考えることも多くなったという澤田さん。「自分が先輩になって、先輩方の苦労を知りました(笑)。後輩に伝えるには、自分がちゃんと理解をしていないといけない。これまで先輩方に教えていただいたことを、自分のなかでしっかり分解して、引き継いでいけるようにしたいです。そのためには自分の引き出しも増やしていかないと!」。そう語る彼女の横顔が、新たな挑戦に向けてキラキラと輝いていた。

time schedule

タイム
スケジュール

  • 09:30

    出勤・係でミーティング

  • 09:40

    作業開始

  • 12:00

    昼休憩

  • 13:00

    作業再開

  • 15:00

    適宜休憩

  • 18:00

    片付け・整理整頓

  • 18:30

    退勤

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求職中の方に
メッセージ

デジタル社会の現代ですが、刷毛やブラシ、筆を使ったアナログな手作業がメインです。でもそれが、絵を描きたい私にとっては一番の魅力でした。手や身体を動かして絵を描くことが好きな人にとっては、とってもやりがいのある職場だと思います。1年目だとしても「やりたい!」と手を挙げれば、たくさん描かせてもらえます。

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