











Chapter 01
舞台転換の
素早さに
胸を打たれた
秒単位のスピーディーな舞台転換は宝塚歌劇の魅力のひとつ。その舞台転換の要となるのが、⼤道具係(公演⼤道具)だ。舞台機構のコンピューター制御と、人の手によって操るパネルや立体大道具、各種仕掛け等など、出演者と息を合わせ華麗な舞台を日々つくり上げています。今回お話を聞いた宇治川さんは2005年入社。公演大道具の中でも舞台機構のコンピューター制御を任されるチーフ職として、日々若手スタッフの教育にも力を入れている。「幼い頃からものづくりに興味があって、学生時代はプロダクトデザインなどの商業デザイナーを目指していました」と宇治川さん。そんな彼が宝塚と出会ったのは学生のとき。「知人が宙組の『ファントム』に連れて行ってくれたんです。初めての宝塚の舞台は、作品としての素晴らしさはもちろんなのですが、舞台転換の素早さとダイナミックさに特に胸を打たれたのを覚えています」と当時を振り返ります。ここでの経験は“自分のキャパを広げるチャンスかもしれない”、そう感じた宇治川さんは宝塚舞台の扉を叩きます。
Chapter 02
舞台は生き物だから、毎分毎秒気を抜かない
「プロダクトデザインはデスクに座ってパソコンと睨めっこする時間が長かったのですが、公演大道具の仕事は身体を動かす時間のほうが長く、慣れるまで時間がかかりました。入社当時はとにかく周りに“信頼してもらえる人材”にならないと!と一つひとつの仕事に真摯に取り組むことに尽力しました」と話します。大きいものだと7メートルを超える大道具や舞台装置を、短時間で、静かに、安全に動かすには、同じ係はもちろん他の係や出演者との息のあった連携が必要不可欠。瞬間の判断を取らなくてはならない舞台において、“信頼感”は重要だ。そんな日々の実直な仕事ぶりを認められ、少数精鋭で編成される全国ツアーをはじめとする外部劇場での公演でもチーフとしてスタッフを牽引するように。チームをまとめるチーフ職になってからはどんなことに気をつけているのだろうか?「より俯瞰的に公演全体のことを見るようになりました。あとは”舞台は生き物だ”と毎分毎秒気を抜かないこと。お芝居やダンス、歌もライブ、舞台機構や大道具の転換もライブ。だからこそ、予期せぬトラブルが起きる“かもしれない”。そしてもしトラブルが起きたらどう柔軟に対応するのか、日々安心することなく想像力を膨らませるようにしています」と宇治川さん。もしも出演者の捌けるタイミングがいつもより遅れてしまったら…、もしも舞台機構の安全確認が数秒遅れたら…。全ての転換がスムーズに行われることが”当たり前”の舞台において、それをどう当たり前に行えるようにするか、細かく確認しながら進めていると言います。「何年経っても初日の緊張感には慣れませんね。でも、慣れないほうが良いのかもしれません(笑)」と宇治川さんは笑います。お客様が出演者の演技や世界観にどっぷりのめり込めるのも、“当たり前”に世界を転換する公演大道具の仕事があってこそなのだ。
Chapter 03
舞台は一人ではつくれない
「でもね、舞台は一人ではつくれないんです。大道具のベースをつくる装置係がいて、彩りで世界をつくる背景係がいて、その他にも電飾や小道具、衣裳、音響、照明、舞台進行…。たくさんの人たちが関わることで一つの舞台をつくりあげているんです。だからこそ、他の係や課と綿密に連携することが不可欠。一つのボタンのかけ違いが、大きな事故につながることもある。僕も入社当時は部門の垣根を超えて意見をかわして、コミュニケーションをとることに苦労しました」と宇治川さん。舞台は一人ではつくれない。でも、それぞれの係が存分に力を発揮し、互いに協力することで素晴らしい舞台をつくることができる。「入社してすぐは自分の意見を周りに伝えるのを躊躇するかもしれない。でも、その視点が舞台製作や運営に新しい風を吹き込むかもしれません」と宇治川さん。「舞台装置も日々進化しています。僕も現状に満足することなく、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」と語ってくれた。
time schedule
タイム
スケジュール
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09:00
出勤・始業点検(舞台機構・仕掛け等)
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09:30
係でミーティング
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09:40
作業(次公演のパネルの吊り込み等)
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10:00
第1幕の舞台をセット、適宜休憩
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11:00
開演 公演業務
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13:00
第1幕終演後、第2幕に向けてセットチェンジ
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13:30
開演 公演業務
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14:00
終演後、2公演目の第1幕の舞台をセット
昼休憩 -
15:30
開演 公演業務
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17:30
第1幕終演後、第2幕に向けてセットチェンジ、適宜休憩
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18:00
開演 公演業務
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18:30
終演 終業作業
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18:40
退勤
meaasege
求職中の方に
メッセージ
宝塚舞台は独自の文化と魅力をもつエンターテインメントの世界であり、情熱や夢を追い求める場でもあります。舞台芸術に対する愛情や、お客様に感動をお届けしたいという想いがある方には、非常にやりがいのある環境だと思います。夢を追いかけることは勇気がいることですが、その一歩を踏み出すことで新たな可能性が広がります。自分を信じて挑戦してみてください。応援しています!